こんにちは、TAIONの塚越です。
今回は、顧客管理に使っているHubSpot(ハブスポット)の初期設定について書きます。AIと一緒に進めた記録です。うまくいかなかったところも含めて、残しておきます。
正直に言うと、少し前まで、マーケティングの仕組みづくりは専門の担当者か代理店に頼むものだと思っていました。今回はその設定の大半を、AI(Claude)と相談しながら進めています。かかったのは丸一日。ツール代はかかっていませんが、そのぶん時間はしっかり使いました。
何をつくりたかったのか
TAIONでは、名刺に刷ったQRコードから、製品のデモを触ってもらえるようにしています。触ってみて「資料がほしい」「一度話を聞いてみたい」と思ってくれた人がいても、その気持ちを受け止める場所がなければ、せっかくの関心はそのまま消えてしまいます。
そこで用意したのは二つです。ひとつは、サイトのフォームから届いた問い合わせが、そのままHubSpotに記録される仕組み。もうひとつは、「話を聞いてみる」から予約ページに進み、日時を選ぶとGoogleカレンダーに予定が入る仕組みです。
HubSpotは、いわゆるCRM、つまり顧客台帳のサービスです。誰がいつ問い合わせてきて、いまどの段階にいるのかを一か所で見渡せる。無料版でも、問い合わせを管理するくらいなら十分にこなせます。
画面を開く前に、半年後を考える
最初、HubSpotの画面にはほとんど触っていません。代わりに、半年後の自分がどんな数字を見ていたいかを書き出しました。
どの名刺交換の場から、あるいはどの広告から来た人が、商談につながったのか。反応しているのは、どの部署の、どんな立場の人なのか。受注に近いのは、どんな業種の、どのくらいの規模の会社なのか。
初期設定でいちばんよくある失敗は、とりあえず項目(HubSpotでは「プロパティ」と呼びます)をつくってしまい、あとから「これでは分析に使えない」と気づくことだと思います。知りたいことから逆算しておけば、その手戻りはかなり防げます。
この問いをもとに、台帳には「流入元」「名刺のイベント名」「最初に来たときのUTM」「部署」「体験した立場」を持たせることにしました。UTMは、URLの末尾につける目印のことです。たとえば ?utm_source=meishi とあれば、名刺から来た人だとわかります。
フォームの項目は、思いきって減らす
フォームで聞くのは、メールアドレス、会社名、部署、名前の四つだけにしました。従業員数や業種のように、調べればわかることは聞きません。入力欄がひとつ増えるたびに、送ってくれる人は減っていくからです。会社の情報は、あとから公的なデータで補うことにしています。
「個人情報の取り扱いに同意する」のチェックだけは、必須にしています。のちにメールをお送りするときの根拠になるので、BtoBでは外せないところです。
フォームはHubSpotの埋め込みを使わず、自社サイトの側でつくってHubSpotへ送る形にしました。見た目をサイトになじませたかったからです。
いちばんつまずいたのは、ドメインの登録でした
試しに送信してみると、画面には「送信しました」と出る。ところが、HubSpotを開いても誰も登録されていない。しばらく原因がわかりませんでした。
答えは、送り元であるサイトのドメインを、HubSpotに登録していなかったことでした。登録がないと、届いた問い合わせは何の知らせもなく迷惑メール扱いになってしまいます。
直し方は簡単で、「設定」→「トラッキングとアナリティクス」→「追加のサイトドメイン」に自社サイトのドメインを足し、画面の下にある「保存」を押すだけです。……と書きながら白状すると、私はこの「保存」を押し忘れて、もう一度同じところでつまずきました。
「送信しました」という表示は、あまり信用しないほうがいい。最後はかならずHubSpotの画面を開いて、本当に届いているかを自分の目で確かめてください。
項目名には、日本語と英語を並べる
地味な工夫ですが、振り返ってみると、これがいちばん効きました。項目の名前を「資本金(capital_jpy)」のように、日本語と英語の併記にしたことです。
HubSpotのデータは、BigQueryというデータの倉庫にも移しています。そのとき、日本語だけの名前は消えてしまうのです。実際、一度は列の名前が日本語で出てこなくなりました。英語を添えておけば、人が見てもわかり、分析にもそのまま使えます。
商談の段階には、「次へ進める条件」を書いておく
商談がどこまで進んだかを並べたものを、HubSpotでは「パイプライン」と呼びます。TAIONでは、問い合わせ、初回の打ち合わせ、デモ、見積・提案、試験導入、稟議中、そして受注か失注、という順に段階を置きました。
それぞれの段階には、「ここまで来たら次へ進める」という条件を書き添えています。これが曖昧なままだと、判断がそのときどきでぶれていき、パイプラインはいつのまにか「こうなるといいな」という願望の一覧になってしまいます。
「紹介」は段階に入れていません。紹介は進み具合ではなく入口の種類なので、受注経路として別に持たせています。「解約」も段階からは外し、契約の状態として管理しています。
予約ページは、サイト側で少し補う
無料版のHubSpotでも、空いている時間を相手に選んでもらう予約ページはつくれます。予約が入れば、Google Meetのリンクがついた予定がカレンダーに入ります。
ただ、無料版の予約ページには、会社名のような独自の質問を足すことができません。そこで、サイトの側で先に会社名やご相談の内容をうかがってから、予約ページを開いてもらう流れにしました。
もうひとつ。予約の確認メールは、迷惑メールのフォルダに入りやすいようです。予約画面に「届かない場合は、迷惑メールフォルダもご確認ください」と一言添えておくと、受け取る側も安心できます。
AIに任せたこと、任せなかったこと
設定の手順や文面は、AIと相談しながら決めました。項目づくりも予約ページの文章も、一つずつ確かめながら一緒に仕上げています。
一方で、ログインと、有料プランに申し込むかどうかの判断、それからデータを消す最後のボタン。この三つだけは自分の手でやると決めています。ここはAIに渡さないほうがいい、というのがいまの私の考えです。
おわりに
いまのところ、無料版で十分に足りています。立ち上げたばかりで、お客さまの数がまだ少ないからです。無料版で登録できるのは合計1,000件まで。有効なリードがこの数を超えたら、有料版に切り替えるつもりです。
